小児矯正とは
■歯並びや噛み合わせが悪いとどんな影響が起こるのか
歯並びや噛み合わせの乱れは、まず見た目が気になるでしょう。しかし歯並びや噛み合わせの異常は見た目以上に深刻な影響を与えてしまいます。
・歯磨きがしにくいために、虫歯や歯肉炎になりやすい
・発音が悪くなる
・顔が歪む可能性がある
・顎関節症になる可能性がある
・バランスが悪くなり、頭痛や肩凝りの原因になる
お子さまの場合、特に気になるのが虫歯や歯肉炎です。歯並びが悪いと歯が磨き辛く、汚れが残ってプラークになってしまいます。プラークは虫歯菌や歯周病菌の温床となるため、酸や毒素が放出されて歯が溶けて虫歯になったり、歯ぐきの腫れや出血が起きる歯肉炎が起きやすくなります。
また発音の悪さも日常生活を送る上で困り事になってしまいます。特に反対咬合(受け口)などの場合、サ行やタ行が発音しにくく、学校の授業で読まなければいけないときなど発音の悪さが目立ってしまうことがあります。
そのまま成長すると、虫歯や歯肉炎はもちろん、顎の関節に負担がかかり顎関節症を引き起こしたり、肩凝りや頭痛などが起きやすくなります。
このように、歯並びが悪いことで色々な悪影響が起きてしまうのです。
■小児矯正の治療の時期について
歯並びの乱れや不正咬合は、できる限り早期に矯正治療を開始することが望ましいと考えられます。特に受け口などの不正咬合の場合、そのまま放置しておくと悪化の一途をたどる恐れがあるため、早急に受診する必要があります。
小児矯正は、顎の骨の成長を促して永久歯が並ぶスペースを確保する「一期治療」と、歯並びを整える「二期治療」があります。
・一期治療・・・歯がきちんと並ぶためのスペース確保や、骨格を矯正する治療で、歯並びそのものを治す前段階の矯正治療です。歯が並ぶスペースが不足している場合は取り外し式拡大装置である「床矯正(しょうきょうせい)」、低年齢の反対咬合は夜間に使用するマウスピース「ムーシールド」などがあります。
・二期治療・・・一期治療に引き続き、歯並びそのものを矯正する歯列矯正です。最も一般的なワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正などの治療法で歯並びを整えます。
なお一期治療でうまく永久歯の歯並びを誘導することができた場合、二期治療が不要になるケースもあります。
・保定期間・・・きれいに並んだ歯は、そのままにしておくと後戻りすることがあります。後戻り防止のためにリテーナーという保定装置を装着して安定させます。
■お子さまの歯並びが気になる場合は、早めに相談を
小児矯正についてお話しました。お子さまの歯並びの乱れや不正咬合は、そのままにしておくと悪影響が起こってしまいます。早めに治療を開始することで、お子さまにかかる負担も少なくて済むこともあります。お子さまの歯並びが気になったら、早めにかかりつけ医か矯正専門医院に相談して下さい。